B型肝炎訴訟問題とは

B型肝炎訴訟という問題をご存知でしょうか?簡単に言ってしまえば、国の医療行政の不手際によりB型肝炎ウイルスに感染してしまった人たちが、国を相手取り損害賠償、そして立法による償いを求めている訴訟です。

和解勧告

B型肝炎とは、肝臓の病気です。ウイルスのキャリア(B型肝炎ウイルスを保有している人)は、いつ慢性肝炎や肝硬変、肝がんになるかわかりません。つまり、症状が進行しないという人がいる一方で、徐々に悪化していく人、いきなり肝がんになってしまう人がいます。患者たちは、病気から来る肉体的苦痛、いつ悪化するかわからない恐怖や不安からくる精神的苦痛、さらには高額な医療費や症状により仕事を失ったことによる経済的苦痛に、日々悩まされています。

また、「日常生活では決して感染しない」という正確な知識が広まらず、いわれなき差別や偏見にも苦しんでいます。仕事を失った人もいます。友を失った人もいます。

この恐ろしい病に感染する原因は、母子感染だと言われます。しかし、この訴訟における原告たちはそうではなく、注射針・注射筒の使い回しが原因でウイルスに感染しました。現在では常識であり、当時も常識とされなければならなかった注射針の交換を国は徹底せず、保健所において行われる集団予防接種でその行為を、昭和23年から昭和63年まで続けさせてきました。

国はその責任をとる必要があります。そして我々国民一人一人も、自分も当事者になったかもしれないこの問題を知らなければなりません。そして考えなければなりません。

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